「世界中が泣いた日、たった一人涙を見せなかった人がいた」
「神と国民に全人生を捧げると誓った」
英国王室の伝統としきたり、国民を想う気持ち、この二つの感情の間で苦悩するエリザベス女王を描いた作品。
ブレア氏が首相に就任して数ヶ月、深夜突然にダイアナ元王妃の死去の知らせが・・・。
民間人へのコメントはしない王室。しかし、ダイアナの死を悲しむ国民の怒りの矛先は、コメントひとつも出さない王室、女王へ。ブレア首相と女王のやり取りの中で、お互いに少しずつ変化が。ブレア首相も彼女の苦悩を理解し始める。そして彼女のとった行動は・・・。
実話も元に作られたフィクションらしい。
映画冒頭シーン、画家と女王の会話。普通の会話の中に、立場を越えた本心があるように思えた。
女王役のヘレン・ミレン、ブレア首相役のマイケル・シーンは本人の特徴をとらえ、物真似でなく、演技としてスゴイと思う。雰囲気ありました。
若くして女王の座を即位し半世紀、彼女の苦悩は測り知れないものだろうと感じた。民間人のダイアナが王室に入ることの難しさもわかる気がする。マスコミのダイアナ擁護、王室バッシングは新聞の売上げには恰好のネタだが、簡単に活字で、良い悪いを書いていい問題ではないように思えた。
最初は王室には批判的だったブレア首相も、彼女の王室と国民を想う気持ちを理解し始め、女王を罵倒する発言に言った言葉
「彼女は50年間国民の為に尽くしてきた。そんな女王をここまで批判できるのか」
ウルってきました。
女王が誰もいないところで、ひとり涙するシーン、そして、美しく気高い鹿を、狩猟から逃がそうとしたシーン、ダイアナや自分自身を王室という異質な世界から自由の場所へ・・・という思いと重なるようだった。
フィリップ殿下のセリフや、チャールズ皇太子のスタンドプレイ的行動なんかは、よく映画化したもんだ、日本なら絶対NGものって感じ。
当時のニュースの映像なども使われ思い出させるところも。
エリザベス女王の、言葉に出来ない思いと苦悩、批判にもジッと耐える精神力、ブレア首相の彼女の苦悩を感じ取るところ、自分は好きです。観て良かった作品でした。
最初から、女王に肩入れして観ちゃいました。
テレビのメジャーリーグ中継を後半で切り上げ、観て正解だった。
プレミアだったけど、1300円だった。